お稽古を再開する

お稽古を再開する

仕事の関係でしばらく休会をしていた方が最近、お稽古を復帰されました。
休会していた時間に思うことがあったようで、
その話を伺ったとき、自分自身と重なる事を思い出しました。

私は子供のころから神戸の震災まで、毎週木曜日のお茶の稽古に通うことが暮らしの中心の生活をしていました。
新しいことを学ぶこと、先生やお仲間との会話、所作を一つ一つ確認を取っていくことなど、どれも幸せな時間でした。

しかし、神戸の大震災で茶道の先生のご自宅が全壊となり、
お稽古が再開するまでに数年間、お稽古のない暮らしを過ごしていました。

ある時、暮らしの中で器物を扱う所作が雑になっていることを感じました。
「これはいけないな~」

それからしばらくして、人に対しても、尊敬を持って対応することを避けていることに気づきましたね。
「これはいけないな~」
その避けている理由は、「めんどくさい」ですね。
めんどくさいの先には、希薄な関係、表面上の関係となっていくのに、目先の「めんどくさい」が勝ってしまうのですね。

どきっとしましたね。

人は自分で意識していないと、あっという間に怠惰になっていくものだと思いますね。
所作のようなことは、親や先生など、その方との指導的な関係がないと、
言葉に出して注意をしていただけるものではないので、
意識していないと知らないうちに横柄な所作、引いては人柄になりやすいものではないかと想像します。

お稽古を復帰された方は、とても大切なことに気づき、
一から稽古を始めるつもりで関わっておられますね。

令和7年 和暦如月新月