年末のお掃除

年末のお掃除

年末が近づいてくると大掃除の話題があがりますね。

私の稽古場では12月13日の事始めが過ぎた週末に煤払いを行っています。
夏支度、冬支度として半年に一回、囲炉裏を開けたり閉めたり、
また、季節の道具を常に入れ替えるので、ひどい汚れなどは特にありませんが、
一年無事に稽古ができた感謝を煤払いで伝えているところがありますね。

掃除も極めていくと奥が深い世界です。

何事も複雑にすると続かないので、ポイントを捉えつつ嫌にならず習慣化できるように工夫することがとても大切なこととして、物事に関わるようにしています。掃除も同じですね。

掃除の行き届いている空間は、なんと言っても清潔感があるので空気が清らかでありますね。

茶室では炭や灰を扱う為、掃除を怠ると足袋の裏が黒くなってしまいます。
裏千家今日庵の稽古に伺ったとき、足袋が白いままでした。
見えない所で多くの方が準備をしてくださり、そこでお稽古できることを幸せに感じたことがありました。

たくさんある掃除の中で今日は一つだけお話しますね。

炭を使用すると灰になりますね。
その灰は毎年増えてくるので、ある程度たまったら手入れをします。
手入れとは、篩(ふるい)でごみを取り除き、綺麗になった灰に水を入れて灰汁(あく)を取ります。この工程を何度か繰り返し、
冬に使う湿灰、土台となる風炉灰(夏用)、炉灰(冬用)などと使い分けていきます。

ここまででもお分かりのように、炭を購入し湯を沸かすための火として使用し、灰になったものをゴミとして捨てるのではなく
灰は次の使い道として新たな役割を担います。

この作業を何年も繰り返していると、モノへのかかわり方に変化が起こってきますね。

大切なことに時間を費やすため、ゴミになるとわかっているもには手を出さないでおこう。
どれもこれも大切にしたいけれど、関われることには限りがあるので最重要なことを優先して継続してみよう。
すると、最終段階のゴミの量が減ってきます。

そして、私たちはお茶を点てるお点前が変わってきます。
手入れをしていると物事へ対する真摯な姿勢に自ずとなるので点前に変化があるのでしょうね。

来年はお弟子さんたちから炭を切る工程をやってみたいとリクエストがあり、
どうなることやらですが、小さな炭や灰の世界でも探究の世界は限りなくありますね。

掃除から教わることが本当に多いです。
繰り返すこの単純作業を多くの方がなおざりにしています。
人の嫌がるところに真理は隠されているのでしょうかね。

年末のお掃除、今年は新たな出会いがありますように。

令和五年和暦霜月新月